『言ったろ?俺は、冷たい奴だって。だからなんでわざわざ君の為にやんなきゃなんない?』


あ余裕な顔をしながら言う。


「…っ」


あたしは先輩の言葉に何も言い返せなくなった。


だって、アタシの為ではないから。



彼氏でもない、他人なのに…



”先輩が助けられたら皆思ってしまいますよ!”


なんで、

こんな言葉出てしまったんだろう。


改めて考えて後悔する。


『とにかく、お前に。俺が裏あること言うことを秘密と言いたかっただけだ。昨日のことは忘れろよ』


先輩は歪んだ顔をみて苦笑いしながら言った。


”忘れる”なんて、できるわけ無い。


あんな裏見たら何も言えなくてしまう。


あの…先輩の”鋭い目つき”


なんか忘れるどころか覚えちゃっている。


なのに、

今すぐ忘れるなんてできない。



「…あの、どうして?」


あたしが、唇を強く噛みしめ、勇気をだして大声を出した途端…


ドアの音であたしの声が掻き消された。