みんなはアタシの声が聞こえて女の子が黒木雄大先輩の目線からあたしに移した。
その目は怖くじーっとあたしを軽蔑したように見る。
…え?
あたしが、なんかした?
あたしが、女の子に睨まれていてあたしはわけもわからずきょとんとする。
先輩は女の子と違い、女の子の目線をあたしに移した途端…
顔が優しくなった。
『あ、居た居た!ちょっと、佐倉姫乃さん借りていいかな?』
ニコニコしながらあたしに”おいで”と手で招く。
あたしは唐突な行動に驚きながら、先輩の所へ向かうとき女の子がいいだした。
『黒木先輩、こんな不細工な女の子を呼んだって意味ないじゃないですか』
まだ名前も知らない凛とした彼女が言い出した。
皆はその子にうんうんと頷く女の子達。
でも、確かに彼女の言った通り。
よくみる女の子が誘うわけが無いのだ。
あたしは、完璧じゃないし…
お姉ちゃんと違うけれど、あたしはあたしだし気にしない。
"きっと断るだろう"
心でボソッと呟く。
けれど、
黒木雄大先輩はそれを聞いた時…口元を緩んだ。
『そうかな?そんなこと言ってると後でかえっていわれちゃうかもよ?』
先輩が嫌みのように彼女にニコッと笑う。
『…っ!!』
彼女は…"酷い言葉"を浴びさせられ。
顔が赤くなり恥ずかしかったのか開いていた後ろのドアを通って教室から出て行った。