彼は、たとえどんな冷たい人間だとしても、あたしは好きだと思う。




だって、悲しい黒木先輩の顔なんて、見てられないくらい、辛い。




…だから、あたしは本気で好きなんだろう。





心臓がドキドキ鳴っていて、彼の前だとはずかし鳴ってしまう自分なのに。こんなに思うほど、あたしは思っていた。



『…どうして…?』



あたしがしばらくして先輩を見るとあたしを見て目を開けたままあたしに言ってくる。



「…どうしてって。好きだからに決まってるじゃないですか」