アタシは、その後急いで家に帰った。


バタンっとドアを閉めると目の前に居たのは、”どうしたの?”とびっくりしているお姉ちゃんが居た。


「…っ、姉ちゃん」


あたしが恐る恐るお姉ちゃんのこと呼ぶと。


お姉ちゃんは、あたしに怖いくて鋭い目がこちらを向けている。


『ひぃ、なんかあったでしょっ?』


あたしは、近づいてくるお姉ちゃん…に恐れながらも後退りする。


けれど、お姉ちゃんは一つため息をついた。



…えっ?



『ねぇ、ひぃ。教えて?』


「………っ!」


あたしは、恐ろしい気持ちが、一瞬に目が覚める。


鋭い目が優しい目。


お姉ちゃんの表情も変わった。


ニコッと口元を上げて、優しい包み込む眼差しの目尻が下がる。


…笑顔になってる?


いつもは睨んできて無理やり聞かせるはずなのに…爽やかの”完璧”のお姉ちゃんになっていた。



あたしは


"どうしたのかな…"


心にボソッと思いながら。


震える小さい声であの、黒木雄大先輩の素顔を見たということを全部話した。


するとお姉ちゃんはほっとため息をついた。