俺を、好きになったんだ?
何もしていないはずなのに俺はいつの間にか告白されている。俺はその姫乃と言う女を睨む。
そんなの、俺にはありえない。
「お前、なんで好きなんていう?俺が、好きなことさせた?俺は…お前を幸せになんてできわけない」
そう、俺が"好き"だろうと思っていても、なんだかちくっと心が痛む。
"好き"
なんて、俺はどうせできなくなる気がした。
「それに、俺は、好きになんてなりたくない。これが、俺の答えだから、二度と”好き”なんていうな」
『やっ…』
続いて俺がいうと、彼女はウルウルの目で俺を見て必死に止めようとするけれど、俺はその目を止めるように睨む。
もう、"好き"なんて遅すぎるんだ。
俺の気持ちは抑えるまま時を終ればいいんだ。一生、違うところへ置かれていけば
好きになるなんてならないはずだ。