泣かすような冷たい口調。


まるで近くに子供が居るみたいな女の声が少しだけ耳に聞こえる。


『むふふふっ…』

その声を聞いて舞はニヤリと笑った。



あたしは不安に思いながらもごくっとタンを飲んでニヤリと笑ってる相手に訊ねる。


「な、なんで笑ってる訳…っ?」


『だって…あの毒舌!そして冷たい口調、あの黒木先輩だよっ!』


聞こえる教室を指差してニコやかに言う。



まさか…あの教室に?



「…本当に…っ?」


『何言ってんの?確認しなきゃわかんないよ?』


ニコッと褒めるような笑顔で、あたしに向ける眼差し。


……。


あの噂が本当に証明されるのなら。


見たいけれど…。



『悩まないで!もっとリラックスしなきゃ!』


「…で、でも…!」


あたしのことも無視してのそのそとしながら聞こえてくる教室に近づく。