やっぱり…完璧なおねえちゃんは


遅刻なんて絶対しないお姉ちゃんはこの時間にかなり焦っている様子だった。


『ひぃ、入学式頑張れ!』


「うん!」


素直じゃないくらいな顔であたしはニコッと笑ってお姉ちゃんに手を振った。



でも、頭の中にはあの噂と名前が浮かんできて。


黒木雄大先輩。


…って本当に怖いのかな?


まだ会った事のないあたしはどんな人なんだろうと期待を胸にさせ席に座った。


すると…


『あのぉ~?』


隣から高い声が耳からぐーんと聞こえた。


「…え?!」


横を向くと綺麗な顔がドアップ目に映り思わずびっくりな声を上げる。



『あたし、舞(マイ)って言うの!あ、ちなみに。黒井舞っね?』


「…よ、よろしくっ」



あたしの隣、黒井さんが、手を差し伸べて自己紹介する。



その行動をじーっと観察しながらも握手する。



…なんだか、可愛い。