「空。」

綺麗な声が俺を呼ぶ。

「どうした?
―向日葵。」


向日葵はこの春俺と同じ学校に入学した。
それ以来一緒に昼ご飯を食べている。


「空。今日ね、―――」

向日葵はいつもにこにこ笑いながら、何でもないようなことを、幸せそうに話す。


―今日割った卵が双子だったんです
―昨日の夕日がとても綺麗だったんです


あまりに幸せそうに話すから、俺も幸せな気分になる。


こんな自分、一ヶ月前では想像がつかなかった。

それほど、向日葵は俺の大切な人になっていた。