「そういえばさっき藤波と何してたんだ?」

机を挟んだ向かい側に座り飯を食べる彼女に問うと一瞬きょとんとした後、あぁ!と笑顔になる。

「野球部でもう練習始めてる人がいてさ、奈穂と誰が格好いいかって話してたの。」

「…ふーん。」

「奈穂が慎治君は部活してたら格好いいのにとか言うから笑い止まんなくてさー。」

「愛は?」

「ん?あたし?そりゃ狩野先輩だよ!学校一の美男子だし。」
その言葉に少しむかっとする。

彼氏差し置いて名前で呼ばれてる慎治と格好いいと言われる狩野先輩。何者だよ。

まぁ、男友達の多い愛に嫉妬させられることはよくあること。
あまり束縛するのもよくないよな…。

少し落ちた気持ちを切りかえ、たわいない話をしてその幸せな時間を終えた。