「いいよ。母さんも姉ちゃんも大丈夫?」

「・・・っうん。こっちこそごめん・・・つらいの智樹の方なのに・・・」

泣いたらダメだ思いつつも、涙が止まらなかった。

「・・・話して?俺に言いたいことあるんだろ?」

智樹・・・。もう覚悟をしている目だった。

「母さんっ?」

「智樹、智樹は癌に侵されてる・・・。それはこの前病院で知らされたけど・・・実は、もう1つ医者に言われた。」

そう言った母の顔は、今でも忘れられない。

「智樹がね、あと生きられる時間は1年だって・・・。」

母はそう言った瞬間、泣き崩れた。

智樹はその言葉を聞いた瞬間、微動だにしなかった。

私はその2人の姿を見て、どうすることも出来なかった。