それから1週間後の日曜日の朝。

空を見れば雲1つ無い青空だった。こんな気持ちのいい朝なのに、どうして智樹にこんな話をしなくてはならないのか・・・。私はこの青空さえ憎いと思った。

隣にいる母を横目で見ると、私と同じような顔をしていた。・・・きっと母もどうしていいのかわからないのだ。

「あ、おはよう。今日は姉ちゃんと母さん早いんだね。珍しいなぁ!」

いつもと変わらない智樹がリビングに入ってきた。・・・こんなに明るく私たちに振る舞って・・・。ほんとは知ってるんだよ。智樹が夜1人で泣いていたこと。でも、智樹は優しい子だから、私たちに心配かけさせないようにしてるんだね。いつもごめんね。

「あ、智樹おはよう!母さん、今日は珍しく早起きでしょ?・・・っ。」

無理に明るく振る舞う母。きっと智樹にバレてるよ?だって、すごい涙目・・・。

「・・・智樹っ!ま、とりあえずそこ座りなよ?」

私がとっさにフォローにまわった・・・つもりだった。

「もう2人ともいいよ。無理しなくて。俺、なんとなくわかる。その母さんの涙の意味が。」

・・・やっぱり、智樹はわかってたんだ。

そう思った瞬間、私の目からは大粒の涙がこぼれた。