私は泣きじゃくった。一生分の涙を流したんじゃないかと思うくらい・・・。

母も1番大事にしてきた息子にこんな残酷な運命が待っていたとは思わなかっただろう。

母も私と同じように泣きじゃくっていた。

何故、智樹なの?こんないい子で優しくて思いやりがある子で・・・なのに、どうして?

智樹にこのことをありのまま言うのか、私たちは迷った。智樹は自分が癌だということはもう知っている。ただ、余命のことは知らない。

智樹に残された選択肢は2つ。

延命治療をするか、治療をせず残りをありのまま生き抜くか。

どちらにしろ、智樹にはもう時間が無いことはわかっていた。

でも、智樹はきっと自分の時間が少なくなっていることに気付いているはずだ。・・・智樹は鈍感ではないから。

結局、私たちは智樹に癌のことをすべて話すことにした。