「すごく嬉しいよ。けどさ、なんかこんなに食べきれないから…気持ちだけ受け取っとくよ。ありがとう」



俺はそう言うといつもの作り笑顔を女の子達に送った。



隣りにいた高橋が小さな声で、



「俺は全然モテた事ないから貴人がうらやましいと思ってたけど、モテるのも考えもんだな…」



って笑った。



俺は今までだってモテたいなんて思ったことはない。



そうだよ。



今の俺は、



1人に………。



たった1人にモテればいい………。



それでいい。



それだけでいいのに………。



俺にはあいつが遠いんだ。



欲しいのはあいつの気持ちだけ………。



それだけで他には何もいらないねぇから。



それでもいつまでたってもあいつが遠いんだ。