午後の校庭はまた賑やかな様子だった。



周りには沢山の人、人、人……。



「琴弥の彼氏、来るの?見てみたいな♪」



日南がハチマキを結び直しながら、聞いてきた。



「うん…その予定!!」



そう…私は智也君を紹介していないから、日南はまだ智也君を知らない。



「どんな人よ??早く見たいってば」









『ただ今より午後の競技を始めます』



応援席に着くと、山崎さん達の声が聞こえてきた。



「海道君、おいしいって言ってくれたね♪マジで嬉しすぎっ♪」



「あたし、渡辺さんには絶対負けない…走るのも、海道君の事も!!頑張るっ!」



「そうだよ。これだけ好きなんだもん。海道君だって絶対気になってくれてるはずだしさぁ」



負けない??



はぁ??…誰に負けないって?



勝手に頑張って……。



私は走るのを頑張るだけ。



そうそれだけ。