お母さんの作ってくれたお弁当はとてもおいしかった。



朝からこんなに作ったの?って思うほどのおかず。



でもそんなお母さんが嬉しくて全部食べた。



お母さんの気持ちを思うと、さらに笑顔になれそうな気がした。







『午後の部が間もなく始まります。生徒の皆さんは校庭へ集合してください』



アナウンスの声にお弁当箱をしまい、午後の競技のプログラムを広げる。



さぁ…午後の競技。



最後には『クラス対抗選抜リレー』がある。



すぐそばにいる日南と目が合う。



「力を出し切ろうね」



「うん!!」









智也君はもうきっと来てるはず。



捜したら見つかるかな…。



お願い……。



この気持ち、このざわざわした思いをかき消して。



それが出来るのは、きっと、きっと……



『智也君』なんだ。