「すごく嬉しいよ。けどさ、なんかこんなに食べきれないから…気持ちだけ受け取っとくよ。ありがとう」



あいつ……何人の女の子に囲まれてるのかな?。



女の子達は海道貴人の言葉に残念そうにしながらもさらに近づくいていく。



海道貴人の手には可愛い花柄のお弁当箱が握られていた。



「ふーん。モテるんだね。やっぱ、あいつ」



「気になるの?琴弥」



「あり得ない…あたしには関係ないし…」



そう言いながら、そのまま中庭を横切り、校舎に入る私。



階段を一気に登る。



後ろから息を切らせて日南が追いついた。



「ちょ…と…琴…弥早いって…はぁ…」



別にあいつが誰といようとあいつの勝手だし、関係ないこと。



誰があいつを好きでも私には何かを思うか権利なんかない。



そう。分かってる。



でもこみ上げてくる感情……これは……。



やきもち?…嫉妬…?



この言葉が当てはまってしまいそうになる。



これはきっと…何かの間違い……そう思いたいけど……。



そうだよ。勘違いだよね?私の本心なんかじゃないよね?