競技は順調に進んでいった。



午前中の競技にはほとんど出番がなくて、席に座って応援をした。



応援席からは大きな声援があがり、体育祭を盛り上げる。



日南は実行委員だから一緒にはいなくて他の友達と他愛のない話をしてた。



智也君が来ているのか、どこにいるのか、全く分からなかった。



『……以上をもちまして、午前の部を終了いたします。これからお昼休憩に入ります。午後の部は1時からの開始となります』










「あぁ~~、疲れたぁ…。ねぇ、琴弥お昼は教室で食べよう~!」



実行委員の仕事であちこち動き回ってた日南は、私の顔を見るとすぐ私の肩にもたれかっかてきた。



「うん、いいよ。中庭じゃなくていいの?」



「え、だってさほら、山崎さんとかいるじゃん…あそこに」



日南の指差した先を見る。



なるほどね……。



中庭には山崎さんと増川さん。



そして他にも何人かの女の子がいて、誰かを取り囲むように座っていた。



「これ私が作ったんです。食べて!」



「私のも…食べてね」



そう、キャア、キャアと騒いでる女の子達の中心には海道貴人がいた。