翌朝。
「んー…」
まだ少し重たいまぶたを開けた千夏。ふと右肩に重みを感じて見てみると、そこには遥の寝顔があった。
「おわ!?」
思わず叫んでしまい、慌てて口をふさぐ。
遥は千夏の隣で寝ていたのだが、時間が経つにつれ、千夏の方に体が傾き、結局もたれる状態になってしまったようだ。
「……重い…」
起こすのは心苦しいが、重い。
仕方なしに、千夏は遥の体を揺すった。
「遥さん、起きてくださいっ」
そう呼び掛けながら顔を覗き込んだ瞬間、千夏の動きが止まった。
「遥…さん…?」
遥は泣いていた。閉じている瞳から、一筋の涙が流れている。
「父さっ…ごめ…」
うなされているのか、うわごとを言いだす。
「ぉれの…せ…で…」
“俺のせい”?
何の事かさっぱりわからないが、とりあえず状況から見て夢でうなされていることは確かだ。
起こしてあげるべきか…。
「どうしよ…」
千夏が迷っていると、遥が自分で起きた。
「夢か……」
つぶやきながら頭を抱えるところを見ると、やはりうなされていたようだ。
だが……
“俺のせい”
うわごとにしては何か意味があるような気がして、千夏は複雑そうな表情を浮かべた。
「あ、千夏起きてたのか」
「へ!? あ、はい…」
「俺、トイレ行ってくる」
部屋を出ていく遥。千夏は彼の背中を黙って見つめた。
遥さんは…何か隠してる。
“私”を拉致したのは、身代金とは別の目的があったから…?
「んー…」
まだ少し重たいまぶたを開けた千夏。ふと右肩に重みを感じて見てみると、そこには遥の寝顔があった。
「おわ!?」
思わず叫んでしまい、慌てて口をふさぐ。
遥は千夏の隣で寝ていたのだが、時間が経つにつれ、千夏の方に体が傾き、結局もたれる状態になってしまったようだ。
「……重い…」
起こすのは心苦しいが、重い。
仕方なしに、千夏は遥の体を揺すった。
「遥さん、起きてくださいっ」
そう呼び掛けながら顔を覗き込んだ瞬間、千夏の動きが止まった。
「遥…さん…?」
遥は泣いていた。閉じている瞳から、一筋の涙が流れている。
「父さっ…ごめ…」
うなされているのか、うわごとを言いだす。
「ぉれの…せ…で…」
“俺のせい”?
何の事かさっぱりわからないが、とりあえず状況から見て夢でうなされていることは確かだ。
起こしてあげるべきか…。
「どうしよ…」
千夏が迷っていると、遥が自分で起きた。
「夢か……」
つぶやきながら頭を抱えるところを見ると、やはりうなされていたようだ。
だが……
“俺のせい”
うわごとにしては何か意味があるような気がして、千夏は複雑そうな表情を浮かべた。
「あ、千夏起きてたのか」
「へ!? あ、はい…」
「俺、トイレ行ってくる」
部屋を出ていく遥。千夏は彼の背中を黙って見つめた。
遥さんは…何か隠してる。
“私”を拉致したのは、身代金とは別の目的があったから…?