「寒くないで?あやっぺ…寒いん?」
敬太は私の隣に座った。
「うん…ちょっと寒いかな?」
・・・
敬太は自分の鞄を漁る。
「温かい紅茶ならあるけど…飲む?」
敬太は自分の鞄から紅茶のティーバッグを取り出した。
「うん。…ってか、紅茶なんて持ちいてるの?」
私は驚いて、目をまんまるくした。
「俺は紅茶マニアやねん。今からめっちゃうまい紅茶入れたげるから待っとき!!」
そう言って、敬太は立ち上がった。
慣れた手付きで紅茶を作り始める。
ティーカップに熱いお湯を注ぎ、静かにティーバッグを落とす―――
敬太に言わせると、これがポイントらしい。
蓋をして、蒸らす・・・
ティーバッグを取り出す。
香り豊かな紅茶が完成した―――