「まだ見つかりません。先程、警察に連絡しました。しかし…この天気では…蒼島には来れないとの事です。」
「警察…来れないんか?」
敬太がシャワーから戻ってきた。
バスタオルを頭にかぶっている敬太。
濡れた髪をバスタオルでゴシゴシ拭いている━━━
カッコイイ感じがするのは気のせいだと思いたい・・・
「はい…。天気が回復するまでは…来られないそうで…。明日は台風並の天気です。船は欠航になるでしょう。今からこの天気ですし・・・」
「つまり…明日はこの蒼島に閉じ込められるっていうわけやな?」
「そういう事になりますね…」
島岡さんの小さな重い声。
「せっかく蒼島に来たのに大荒れの天気なんて…残念です。」
「私も…せっかく蒼島に来ていただいたのに…残念ですよ。でも、明後日からは良い天気になるはずですから。」
私の言葉に島岡さんはにこやかな笑顔でそう答えた。
「では、私はこの辺で…。」
「島岡さん、衝立ありがとうございました!!」
島岡さんは私と敬太の部屋を後にした―――
ブルッ・・・
え?
私は思わず身震いをした・・・
「ねぇ、敬太…寒くない?」
寒気がする。
風邪ひいちゃったかな?