「どうか…したん?」 真剣な目の敬太。 「・・・記憶が…」 下を向く星斗君。 「記憶がどうかしたの?」 「その頃の記憶がなくなっちゃったんだよ!!お兄ちゃんの名前も…顔も…全部分からなくなっちゃったんだ…」 星斗君の目から涙がこぼれる――― 「記憶が・・・」 私達は言葉が出なかった――― 「どうして蒼島に来てってオジサンに言ったんだい?この島じゃない方が遥かにお兄さんも見つけやすいし、情報も集まりやすい…。」