ザップーーーン

高波が続いている・・・


「星斗君!!危ないからこっちに来て?」

私は、星斗君の腕をグイッっと引っ張った。


「何するんだよ!?」

星斗君は、腕を引っ張られた痛みに顔を歪めた…。


「危ないから、波に近づいたらアカン」

注意をする敬太。

星斗君は敬太をキッと睨む。



*****

再び、石段に座って話す。


金田さんは、大きく深呼吸して、星斗君をジっと見た。

「お兄さんを探してほしいんだね?」

探偵の顔をしている金田さん。



星斗君は小さく頷いた…。

「オジサンに詳しい事聞かせてくれないかな?」


星斗君がゆっくり話を始める・・・


「3年前な、本当のお母さんとお父さんは…事故でいなくなっちゃったんだ。それから、お兄ちゃんは親戚の家で・・・俺は、知らない人の家で暮らすようになったんだ。だから、お兄ちゃんと離ればなれなんだよ…。」