ピンポーン・・・
私は、星斗君のお母さんがいる7号室のチャイムを鳴らす―――
「・・・はーーい?…星斗?」
ガチャ・・・
部屋から出てきたのは、30代の若い女の人…
さらっとした黒髪のロングヘアー。
小柄でほっそりした人―――
「…どちら様?」
女の人突然の出来事には驚いている。
「突然申し訳ございます。私、5号室に宿泊しております大河原というものです。」
「…何か?」
私の後ろに立っていた金田さんが話を切り出す―――
「奈央子さん。実は・・・みんなで海に行こうって話になってるんだけどね…」
「海ですか?」
女の人は、長い髪を耳にかける。
「星斗君も一緒に海に行きたいらしいんだ。今からちょっといいかなぁ?たぶん30分ぐらいで戻ってこれると思うけど・・・」
「星斗がご迷惑をおかけしてすみません……。金田さんがよろしいなら…星斗の事よろしくお願いします。」
奈央子さんは、申し訳なさそうに頭を下げた。
秋葉 奈央子さん。34才。星斗君の母親。
優しそうな印象だけど・・・
「ありがとうございます。息子さんは責任を持ってお預かり致します。」
私と金田さんは奈央子さんに一礼して部屋を後にした―――