森さんが作ってくれたのは魚介類のたっぷり入った、トマトスパゲッティだった。
鷹の爪のピリッとした辛さがアクセントになっている。
「とっても美味しいです!!!」
「ホンマにうまいなぁ。」
私と敬太は、絶品トマトスパゲッティに感動した。
「これぐらいしか作れなくてごめんなさいね…。余り物が少なくて・・・」
「やっぱり森さんの作る料理は最高に美味しいよ。」
金田所長の言葉にぅんぅんと頷く私と敬太。
「ありがとう。そう言ってもらえると作りがいがあるわ。」
森さんは笑顔でそう答えた。
森 雪〔モリ ユキ〕さん。
47才。
1つに結んだ髪にちょっとふっくらとした顔。
家庭的なお母さんといった感じ。
余り物でこんなに美味しいものが食べられるなんて…夕食がとても楽しみになる。
「ごちそうさまでしたー」
私達は、お昼ごはんを食べてから、大広間を後にした―――