妹は、生まれつきの心臓の病気で。疲れやすい体。

今の状態は、いつ発作が起きるか分からない状態で━━━…

医者からは、次に発作が起これば…
もう次はないと言われている。

留依子は明日から入院するんだ。
だから、婚約者の明の家にいったのだろう━━━…


俺は妹の言葉を信じ、
帰りを待つ…

今思えば、
どうして引き止めなかったんだろう…と後悔だけが押し寄せるんだ。


***


それから、
1時間後━━━…

俺の携帯に電話がかかってきて。

♪〜♪〜♪〜

『はい』

『お兄…ちゃん…苦しいよ…』

妹の弱々しい言葉に、
俺は我を忘れて叫んでいてね。

『留衣奈!?留衣奈!どこにいるんだ!』

『明さ…ん…の
 あ……!』

ガタガタ…
何か物音がしたと同時に

ツーツーツー

電話が切れて。


俺は無我夢中で
部屋を飛び出したんだ。


“留依奈…
どうか無事でいてくれ”

心の中で、何回も何回も願う。


俺は車を飛ばして
妹の婚約者の明の家へ向かう。

家の場所は1回だけ、留衣奈に教えてもらった事があって。

僅かな記憶を頼りに…
車を走らせた━━━…