「……俺は…妹を助けるために必死だったんだ。」

金田さんは、過去について話始める━━━…

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《金田side》


俺と妹は、幼い頃に離ればなれになった。
両親が…離婚してね。

もぅ、逢う事はないだろうと思っていた━━━…

だから
十年後に━━━…

偶然、街で妹に再会するなんて夢にも思ってなかったんだ…





妹と再会したのは、
茶色い落ち葉が地面に積もり始めた、10月の肌寒い早朝の事だった━━━…

俺は仕事のため、
足早に駅に向かっていた。
パリ…パリ…
乾燥した落ち葉を踏みながら道路沿いを歩く。



『留依奈!いいよ!可愛い!』

パシャ…パシャ…パシャ…

静かな街に響く音━━━…

俺はシャッターの音と“留依奈”という言葉に反応した。

“これは何かの撮影か…?留依奈…まさかね。”

そんな事を思いながら、
撮影現場を横目で見ながら…早足で、横断歩道を渡ろうとした。


その瞬間、俺に衝撃が走った。

…何故ならば。
カメラの前で
キラキラ輝いている女性が━━━…

10年前に離ればなれになった…
妹だったのだから。


『はぃ、それでは休憩入りまーす!』

いかにも監督そうな人の
大きな声で、
撮影の関係者は一斉に散らばる。


『留依…?』

俺は、ロケバスに戻ろうとしている妹に思わず…
声を掛けてしまったんだ。

『お兄…ちゃん…?』


これが、
俺と妹が再会した瞬間━━━…