「…ちょっと待って…彩紗ちゃん…どういう事?」
金田さんはそう言って、
私の掴んでいる手をパシッと左手で払った。
大広間にいる人は、
何が起こっているのか分からない様子で…
目をまんまるく見開いたまま、金田さんと私を交互に見ている━━━…
鬼下刑事は、大広間の隅で煙草を吸いながら、意味ありげに笑みを浮かべていて。
「健一郎さんを襲ったのは敬太ではありません。…あなたです。」
私は金田さんを見据えながら、言う。
「お遊びはおしまいだ。彩紗ちゃん。」
「お遊びなんかじゃありません…」
金田さんは大きく深呼吸してから言った。
「どうして俺なんだ?」