え?


事務机と、
机と同じタイプの棚が立ち並ぶ。
殺風景に近い風景。


その中で入り口の突き当たり。

そこに目を奪われたんだ。

窓際の事務机で、男の人が伏せて寝ているようだったからで。


「あ、あの─────…」



声を掛けた、その時だった。

ビュゥゥゥ────…と
強い春の風が事務所を吹き抜けたのは。

思わず目を瞑る私。


その風は窓も揺らした。



「ん…。俺…寝とったんか…」


机で寝ていた男の人が目を覚まし
ゆっくりと起き上がり、
私の存在に気付く。


   「「あ。」」


微妙な空気が流れ。