「約束したから。星斗と…。俺が高校を卒業したら、また一緒に暮らそうって。約束を守ろうとしたまでだ。」
敬太は低い声でそう言って、奈央子さんを睨むように見る…。
「敬太…」
敬太は3年前と同じ目をしていた━━━…
遠くをみるような、
細くて…、悲しみの目。
「あなた、1人…で星斗を育てていけると思ってるの?無理でしょ?だから私達…星斗をあなたに渡さなかったのよ。」
奈央子さんは目を瞑り、頭を抱えながら言う。
「敬太…お前…」
金田さんは目を丸くして驚きながら言った。
「ぁぁ。毎日…星斗を迎えに行ってたよ…。でも、断られるばかり。だから、無理矢理でもいいと思った。星斗をこの島に呼び出して…。
…誰も気付かないように2人で東京に戻る計画だった。」
私に溝を作ったのは…
敬太だったんだね?
すべてのロジックは
ここから始まっていた。
敬太…間違ってるよ?
無理矢理だなんて。
それじゃあ、敬太も星斗君も幸せになれないじゃん。