大広間は60畳ほどで、
玄関と同じく南国風のインテリアで統一されている。
目につくのは大広間の真ん中にある木で作られた大きなテーブル。
「朝食と夕食はこの大広間でみんなでお食事を致します。お客様同士のコミュニケーションも大切にしておりますので。」
大広間の奥には長めのソファーと大きなテレビがあって、島岡さんの言うとおり、宿泊客同士がコミュニケーションとれるようなスペースがある。
「あやっぺ」
敬太は私の肩を揺すった。
「何?」
「…あの大きな絵ぇ見てる男の人、金田さんと違うんか?」
「え?」
敬太の指差す方向には、大きな油絵が飾ってある。
その油絵を見ている男の人・・・
後ろ姿しか見えないが、かなり明るめの茶髪に、長めの髪…
スーツを着ている。
このようなリゾート地に、スーツで来るのは仕事以外考えられない…
それにあの雰囲気・・・