木枝さんが懐かしい感じに話し出す。
「昔…俺はある事件に巻き込まれてしまったんだ。その時に鬼さんが助けてくれたんです。」
「俺はお前のせいで…何枚始末書を書いたと思ってるんだ。もぅ、散々だよ!!…でも、お前を信じて良かったんだな…」
鬼下刑事の優しい顔を初めて見た―――
「鬼さん…」
大広間にはクラシックのBGMが静かに流れている―――
最悪の展開までのカウントダウンはもうすぐ0になろうといていた・・・
「私…もう一度、健一郎さんを呼びに行ってきます…。」
奈央子さんは静かに椅子から立ち上がる…