木枝さんの部屋は男の部屋とは思えないくらい綺麗だった━━━
整理整頓された本棚に、小物類がしっかり片付けられているテーブル。
「なんか…すみません。大広間に何か用事だったんですよね?」
「いいえ。俺…困ってる人を放っておけませんから。」
木枝さんは目を細めて笑った。
「ありがとうございます。助かります…。綺麗なお部屋ですね?」
私は木枝さんの部屋を見渡す―――
木枝さんの部屋の壁には、蒼島の風景の写真などが沢山飾られていた・・・
部屋の隅には、三脚付カメラが一台―――
「綺麗にしてないと、落ち着かなくてね。自分の部屋が片付いてないと…お客様に対して完璧な接客が出来ないような気がするんですよ。」
木枝さんは照れくさそうに下を向いた―――
「そうなんですか。…木枝さんの部屋に飾ってある写真は木枝さんが撮影したんですか?とっても素敵な写真です。」
「ぁぁ…僕が撮った写真だよ…」
何故か、木枝さんの表情が曇った・・・