時刻は10時ちょっと前―――
“天気予報です。今日の蒼島地方の天気は、台風並の大荒れの天気でしょう。午後1時が雨・風・雷のピークとなるでしょう。お気をつけ下さい。この大荒れの天気も夕方以降は回復していくでしょう―――。”
テレビから流れる天気予報―――
夕方まで大荒れの天気のようだ。
「事件の調査…」
塚原さんが小さな声で呟く。
「今は…昨日の夕方からいなくなった星斗君の情報を集めているんです。昨日の夕方…何か変わった事はありましたか?」
私は、大倉さんと塚原さんに訊ねる。
・・・
暫しの沈黙。
塚原さんが口を開く。
「昨日の夕方…。5時30分頃に7号室前で、ちらっと星斗君の事見かけましたよ。」
「え?」
「それは本当か?」
私と敬太は声を合わせて、見合せた。