始動しかけの脳をなんとか回転させ、


とりあえず、不機嫌な顔を作って彼を睨んだ。


そんな私に一瞬悲しい顔をした彼は、すぐにその顔をぎゅっと引き締め、


「……今日、出かけるからついてきて。


……てか、連れていくから!」


そうはっきり言い切り、私の腕を強引に引っ張ってきた。


……は?


と、声を漏らす暇さえなかった。


彼のあり得ない行動の数々にいちいち驚いていて、始動したはずの頭が全く動かなかった。


体が外に半分でかかったころになってようやく、ちょっと待ってと声をかけた。


そんな私の制止の言葉に対して


「何?」と問いつつ腕をきつく握って離す気配のない彼にまたもや驚いて。


「服、着替えてないから」と答えるのに精一杯だった。