意味がわからないよ。


私が他人ばかり?


嘘だ。


真逆だ。


私は自分ばかり。


自分ばっかり大事で、自分ばっかり守ろうとしてる。


だから私の周りには、悠斗と、私がこの傷で縛りつけてる彼しかいない。


私が自分ばっかりな自己中人間だったからなんだよ?


そう言いたかった私の気持ちが伝わったのか、悠斗はふるふると首を振り否定する。


「違うよ。あかりは優しすぎたんだよ。だからこんなふうにいっぱい傷ついて、余計に自分を守る方法がわからなくなっちゃったんだ。」


そして私を、優しいという。


私に一番似合わないはずの言葉を、何の躊躇いもなく私に使う。


「あかりは誰かが傷つくことをいつも気にかけてる。自分に向かってくる牙には無防備なくせに、周りの誰かにそれが向けられたらすぐに反応する。」


そして尚も私をまるで綺麗で儚いもののように語る。