悠斗の言ってることがわからなくて、首を傾げる。


「何それ。私のどこが不器用なわけ?要領はいいほうだよ。」


なんて、自分で言っちゃ説得力もないけど、実際私は要領はいい方だと自負している。


勉強だって、運動だって、苦労しなくてもそれなりに出来た。


そんな私のどこが不器用なんだろう?


「わかってないとこがかわいいよね。」


真剣に考える私をまじまじと見つめてそう笑う悠斗に、思わず眉間にしわが寄る。


「あかりは、他人ばかり守ろうとして、自分を守ることを知らない子だよ。」


そう呟いた悠斗は、その日初めてあの優しい笑顔を崩した。


とても哀しそうに、どうしようもない子を見るような目で私を見る。


その目の意味が私にはわからなくて、戸惑う。