おかしな話だ。


自分は人を平気で傷つけるくせに、自分のことは傷つけないでと喚いてる。


本当、どこまでもとことん醜い。


そんな自分が吐き気がするほど嫌いだ。


けれど。


私にはもっと嫌いなものがある。




ヴー ヴー ヴー


机の上に放り出された携帯がバイブの震動で震えている。


いつまでも鳴り止まないその不快音に、眉を寄せながら電話に出る。