今年も祝ってくれるつもりなのかなぁ、と期待しながら顔を洗う。


時計を確認すると、時刻はもう10時過ぎ。


とはいっても焦る必要もない。


通信制度を導入している大学を探して進学した私は、平日の昼間は適当にバイトをいれている。


通信なら大学に通う必要はないから、この傷を無闇に大勢に曝すこともない。


安心して自分のしたい勉強が出来る。


バイトは裏方の仕事を選べば支障はないし、じろじろ見られることもない。


そうして自然に、私は人の前に出ることをしなくなった。