「タイトルと内容の水準はおおよその作品において比例している事がわかりました」


「そうじゃなくて作品ごとの批評の話でしょ~!あ、かがみんてばまだ埋めてくれてないしー」


そう言って担当は、テーブルに散らばった用紙を掲げる。


そこには既に他の編集者達の批評が記されており、その内容は”批評”というより”酷評”とした方が相応しかった。


この用紙は作家に見せない事を前提としているため、それをいい事に、今回の新人賞のトップを飾った作品でさえ、


『うちの作風じゃない』だの『どのキャラがキモイ(汗)』だの散々に言われているのだ。


それが誌面に出ればあの褒めようなわけだから、編集部の二度手間好きにはつくづく感心する。


かく言う私も、相手役の魅力が分からないだの文章が鼻につくなど言われた挙句、別の編集部を勧められていた。


頼んでもいないのに、山崎が口止めしながら見せてきたのだ。


あの時は受賞したばかりで自惚れに片足を浸していたから、今思えば良い薬ではあったけれど、当時にしては相当いい迷惑であった。