「あ、そういえばー」


批評用紙の角を脚の上で整えながら、担当は言った。


「こないだのプロット良くなってたよ。一度原稿入ってみよっか。

今度ベテランの先生が新シリーズ発表するから、うちとしては新規の読者よりも今までのファンを逃さない方向の作品を、かがみんには書いて欲しい」


「つまり、いつも通りの鼻につく文章で良いと」


「もぉ、かがみんの照れ隠しはワンパターンすぎるぞ☆」



そう言ってテーブル越しに額を小突く真似をされた。