「あ、明。いやだったら行かなくていいよ?ツリー…」
ため息つかれちゃったし…。
「え?あ、ああ。違うよ。今のため息はあいつらに対しての物。絶対おもしろがってやがる」
「あはは…。確かに」
乾いた笑いが出てきた。
「ま、しょうがないか。じゃあ「ごゆっくり」しに行こうか?」
「ごゆっくりって…」
「いいから。いこうぜ」
明が言うと同時に右手がふわりとあたたかくなって、ちょっとひっぱられた。
それに従ったまま明について歩き出す。
うわぁ…。すっごいドキドキしてるよ…。
明に聞こえちゃいそう。
不意にくしゅんっと前からくしゃみの音が聞こえた。
「明?寒いの?」
ひょいっと覗き込んできくと、「ああ」と返って来た。
「ちょっと待ってて」
ぱっと明の手を離し、バッグの中から包みを取り出す。
そして、本日2度目の満面の笑みを明に向けた。
「はいっ!メリークリスマス、明」
「…え?」
「え?じゃなくて、クリスマスプレゼントだよ。受け取って?」
とりあえず受け取った明は、不思議そうにしながら包みを開けた。