カランカラン…。
「ありがとうございましたー」
愛想のいい店員さんに見送られてレストランを出た。
「おいしかったね」
「うん。でもさすがに高校生は私達しかいなかったわね」
「確かに…」
高校生でこんなに良いレストランを予約できるのなんて私達…いや、みんなくらいのものだよ。
私はおまけだもん。
こんなお金持ちさん達と友達なんだから、私って以外に運がいいのかも?
まあ、普段はみんな普通の高校生なんだけど。
「じゃあ、ここで解散でいっか」
「え?もう?どっか行ったりしないの?」
時刻は9時。
もっと遅くなると思ってたんだけど…。
「だって、早和ちゃんと明は二人で「どっか」行くんだろ?ごゆっくり~」
うわ…。
渉くんと結希ちゃんがニヤニヤしてる…。
「ご、ごゆっくりって…!ツリー見に行くだけでしょ!?」
すると、結希ちゃんがやってきて、こそっと私に耳打ちした。
「二人っきりだよ?素直に楽しんでおいで」
「ちょ、結希ちゃんっ!////」
結希ちゃんがくすくすと笑って離れる。
「じゃ、楽しんできてね!」
「ごゆっくり~」
二人ともニヤニヤしたまま帰っていく。
はぁ…と、横からため息が聞こえた。