「というわけで、昨日聞こえたからなの…」


「あぁ…、忘れてた。そういえば早和っていつも聞いてないようでちゃっかり聞いてる事が多かったよな…」


「そういえばそうかも。私の特技かな…?」


「ちょっとやっかいな特技だな」


むっ。やっかいとは何よ!


むかっときて、頬をふくらませる。


「あ、フグがいる(笑)」

「なっ!フグとは何よ!フグとは!ひどいっ!」


「それ以外になんて言うんだよ。あ、ハリセンボン?」


「針なんてないわよ!」


「じゃあやっぱりフグだな」


「フグじゃなーいっ!」


ぜっっっったい私で遊んでる!

さっきまでちょっと優しかったのに!


いつも通りに戻っちゃったよ。


そのとき、パンパンパンと手をたたく音がした。


「はいはい、じゃれてるとこ悪いけど、そろそろ時間がやばいんで行くよー」


にっこり笑って渉くんが言うけど…


「「じゃれてないっ!」」


ハモっちゃったよ…。


「息ぴったりじゃん(笑)。ほら行くよ?」


「だから、結希ちゃんまで…」


「はいはい。とりあえず歩きましょうね~?」


結希ちゃんがにこりと微笑む…けど、その笑顔、怖いです…。



「…はーい」



おとなしくついて行こう…。