――1 week later...

(時間経過が雑とかゆうつっこみは受け付けません)


彼女についても何も聞けないまま、早一週間が経過した。
初めは気になったけど、礼は至って普通で。

相変わらずモテまくり、普通に大学行って、バイトして。
普通にあたしと遊んで、たまに喧嘩して。
あまりにいつもどおりでなんかもう、どうでもよくなってしまった。


冷静になって考えると、女が礼に声掛けてくることなんてよくあることで。
(あたしの目の前で、平然と逆ナンする奴までいたっけ)

たまたまそれが。
ちょっとかなり美人で。
ちょっとかなり足長で。
ちょっとかなり、礼とお似合いだっただけ。

はじめから、別に気にすることでもなかったのかもしれない。
なんか少し胸に引っ掛かるものはあるけど、気にしないことに決めた。

今夜は恒例の飲み会。
スノボ旅行だって近づいている。
楽しいことだけ考えていこうじゃないか。



でも、神様。
あなたって人は本当に性格が悪いよね。

人がこんなに、うきうきだっていうのに、わざわざそれをぶち壊すようなことしなくてもいいんじゃない?

まあ、実際にぶち壊したのは、あの可愛らしいソプラノボイスだったんだけど。



あれは、そう。
今日の講義が全て終わって、中庭で栞を待っていたときだった。

後から考えたらここで顔を上げたのがいけなかった。
もしくは、授業中に居眠りをして、教授に呼び出された栞のせい。

声をかけてきたのは、他でもない。
蘭さん。その人だった。


「…覚えてる?この前、TSU●YAで会ったよね?」

たとえ時間経過が雑だっとしても。
一週間という期間は偉大だ。
もし、一週間前のあたしならきっと冷静な対応は出来なかっただろうから。



「もちろんです。蘭さん、ですよね?」

「私の名前、知ってたんだ?じゃあ、礼から聞いた?私達のこと」

ーーー“礼”

この人がそう呼ぶと、他の女(所謂、取り巻きの子猫ちゃん)のときには感じない、焦りが出るのはどうしてなのか。
これが、女の勘ってやつ?