「もういいよ……検査しにきただけだから」


もう完璧怒ってるじゃん先生……
あたしと目も合わせてくれない


「心拍速いけど」

「好きな人がここにいるからね」

「お前、わざとだろ」

「何が?先生」


好きな人?わざと?
笑顔で質問する涼真くんは、ほんとはわかっているような、悪魔のような笑みに見えた。


「お前っ……!」

「どうしたの?先生。余裕ないなんて珍しいね」


歯を食いしばる先生は、俯いて悔しそうだった。