「はあ・・・。やだなあ・・・」

持っていけるだけの服と靴とバッグ、

メイク道具と香水、必要なもの全部を

大きいキャリーバッグに詰め込み、

北高の制服を着て、バスで学校に向かった。

新学期に制服を着て、

普通のバッグとキャリーバッグを持って、

長めの旅行に行く状態で投稿することになるなんて思ってもみなかった。

そんなことを考えながら、ケータイをいじっていた。

すると、後ろから声をかけられた。

「ねえ、北高の子だよね??」

「え??」

振り向くと、茶髪の男子が立っていた。

「北高でしょ??その制服と荷物から見て」

「あ、うん、そうだけど・・・」

「俺さ、あんま分かってないんだよね、学校の場所」

「このバス乗ってれば自然に着くんじゃない??」