ピーポー、ピーポー。

静かな夜の中、その音は突然聞こえてきた。

この音を聞くと不安になる。

だって、私の彼は体が生まれつき弱いから。  

だけど今回だけは何となく彼のような気がした。

神様・・・どうか神様、彼ではありませんように。

ブーブー。
ポケットの中の携帯が震えた。

不安から嫌な予感に変わった。

「もしもし?」

「もしもし!!茜ちゃん?!綺羅が倒れたの!!」

あぁ、予感は的中してしまった。

「今から病院の名前言うから急いで来て!!」

携帯から聞こえる綺羅のお母さんの声。
そして、綺羅と言うのがあたしの彼。

「分かりました」

私は、綺羅のいる病院へと全速力で走った。