ちょっと見上げて睨みながら批難の声をあげる。
「悪い悪い。…と、早和。お前睨んでも怖くなんてないぞ?ついでに言うと可愛すぎる!男の前でそんな顔をするなよ?絶対に襲われるから」
私の批難もなんのその。
逆に訳のわからない事で心配されてしまった。
「あのねぇ。そんな訳ないでしょ?私が可愛いなんてあり得ないし!お兄ちゃんは過保護すぎ!」
「お前はいつになったら自覚するんだ!早和をひとり歩きなんてさせてみろ。すぐにナンパされてあんな事やこんな事を…あああぁぁぁ!だめだ!そんな事俺が許さん!」
「あーもう!お兄ちゃん!」
私は耳をふさいだ。
この親バカならぬ兄バカな人は皆さんおわかりの通り、私の兄です。
私とは4歳離れていて、今は大学2年生。
こんなんだけど頭はずば抜けて良いんです。
あ、遅くなりましたが、名前は久城 司(くしろつかさ)といいます。
身長は明に負けず劣らずの185㎝くらい。
そして顔も同じく…。
はい、かっこいいんです。
…こんな性格ですが。
なんでこんなに過保護なのかはわからないんですけど、昔から優しくて頭が良くて、私の自慢のお兄ちゃんなんです。
「…で、なんでお兄ちゃんが私の部屋にいるの?」
見上げてきくと、お兄ちゃんがにっこりと笑った。
「ん?なんか早和が困ってそうだったから、力になろうかな?と」