――――――………


赤から青紫のグラデーションが辺りを照らしだす。


「ここ…どこ?」


今いるのは、街中。

でも、現代の街じゃない。

しいて言うなら奈良か平安の都のような感じの…。

ふとパチパチという音が聞こえて、振り向く。

振り返った先では、道沿いにある家が炎をあげて燃えていた。

そして、その火の粉がかかりそうなくらい近くに…


「明っ!?」


名前を呼んだのに、うつ伏せに倒れている明はピクリとも動かない。

よく見ると、炎に照らされて服のところどころが赤くシミになっているのが分かった。

体が、カタカタと震えだす。


「明…ケガしてるの…?」


ギュッと自分の体を抱きしめて、立ち上る震えを止めようとするけど、なかなか止まってくれない。


「あきら………」


とりあえずそばに行こうと思い、足を踏み出そうとして…

全く動く気配のない明の様子に、ふと、最悪の事態が頭をよぎる。

まさか―――………


「明…明!ねえ起きて!返事してよ!死んじゃヤダ…!明!」


泣き声に近い声で叫びながら駆け寄ろうとしたのに…


「あ…れ?体が、動かない…」


どうして…

明のケガと自分の体が思うように動かない事実に、軽くパニックになりかけた時…

前方に倒れている明の手がピクッと反応して、腕に力を入れ、体を持ち上げようとした。