ビックリしてちょっと後ろに引き気味になる。


「明が勝ったら、早和には夏休みにあるパーティに行ってもらうからね!」


私の動きがピタッと止まる。

そしてゆっくりと結希ちゃんを見た。


「パーティ…?」


私の小さな問いかけに、結希ちゃんは勝ち誇った顔で笑う。


「そうよ。負けたらどんなに嫌がっても強制送還するからね」

「うそ…」


結希ちゃんの纏うオーラに、逃げられないと悟る。

ちなみに、結希ちゃんの言うパーティとはいろんな会社の重役さん達がたくさん来るような社交的なものの事。

私以外の3人は家が大財閥だから、自然といろんなパーティに行く事になる。

そうして将来関わる会社の重役さん達と顔見知りになったりするんだろうけど…。

そして、私はたった一度だけ、パーティに出た事がある。

まだ小学生の頃、うちの両親が明の家に私を預けた時の事。

その日は陽碧家はどこかのパーティに出席しなければならなかったらしく、私を一人で留守番させる訳にもいかないので一緒に行く事になった。

最初は一緒に挨拶まわりをしていたのだけど、歩き疲れてしまったので一休みするためにパーティが開かれていたホテルの中庭に向かった。

その頃はまだ小さくて長く歩き続けることに慣れていなくて、相当きつかったのを覚えてる。

なのに、中庭で一休みしようとした時…